北海道、其の三 (青函トンネル・函館編)

北海道、其の三


(青函トンネル・函館編)


旅行場所:青函トンネル・函館

期間:1989年 8月10日~ 8月12日

行程:8月10日の夕方、仕事を終えてそのまま大阪駅に直行。新大阪へ移動し、東京行きの新幹線を待つ。この日のうちに上野迄行って、翌日の東北新幹線の始発に間に合わせる為だ。何しろ学生の時以来の北海道行きなのである。連絡船に乗って函館駅を離れる時は、また来る事はあるのだろうか、と思っていただけに今回、短時間の滞在とはいえワクワクしてくる。7時20分発のひかりで3時間後、東京に着きすぐに上野へ移動、ホテルへ着く頃には夜10時半を廻っていた。翌朝に備えてそこそこに就寝。

8月11日早朝に身支度をしてホテルを出ようとしたら、鍵が掛かっている。慌てて従業員を呼び開けて貰う。事前に早い出発は伝えておいたのに、危うく遅れるところだった。急いで上野駅の地下にある新幹線ホームに向かった。以前は大宮迄リレー号に乗り継ぐ分、不便だったが少しは楽である。6時始発のやまびこで一路盛岡へ。3時間少々の道程でまだ9時を過ぎたばかりだ。9時半頃に特急はつかりが出発、青森迄は2時間ちょっとで12時前に着く。随分早くなったものだ。早速快速列車の海峡に乗り換える。年代の浅い客車を改造して青函トンネル専用車にしてある。色の変更、エアコン付、2重窓、座席の改良などが行われた。この区間専用の電気機関車が引っ張っている。12時前に青森を出て30分程で津軽線内では大きな町、蟹田に到着して一旦下車。駅前で昼食を取り、一駅隣の中小国が分岐点駅の為、写真を撮りにタクシーで移動。この駅は単線の無人駅で快速は止まらないので先に写真をという訳だ。実際の分岐はもう少し先の信号場である。数少ない普通列車で2時前には蟹田へ折り返し、40分程待って後続の海峡に乗り、いよいよ海の底へ。信号場で津軽線と分岐、津軽海峡線へと入る。やがてトンネルの入り口が見えてきた。遂にトンネルに突入、入ってから出るまでの間は約50分もある。その間退屈しない様に仕切りドアの上にパネルがあって、列車が進むのに合わせて赤ランプが順番に灯り、海底何メートル走行中と表示される。また、青函トンネルには竜飛海底駅と吉岡海底駅の2つの途中駅が在り、それぞれ見学施設として設置されていて、一部の快速海峡が停車し、見学終了後に後続の快速海峡が停車する様になっている。パネルを見ている間に出口が近づき、外が明るくなった。新しいコンクリートの高架線を走り、分岐点の木古内駅に到着したのは4時前だった。木古内駅に足を下ろしたのは1982年の8月9日以来である。あれから7年経ち、駅の雰囲気も随分変わった。江差行きのホームはローカル線の扱いで、端に追いやられた感じである。反対に函館方向は電化され、行き違い設備が増えたりして便利になっていた。4時を廻って木古内を出発し、5時半になる前に函館に着いた。夕方だが夏なのでまだ外は明るい。今のうちにとばかり、早速五稜郭へ向かった。函館市は路面電車が健在である。車窓からの眺めもレトロな街並みが見えたりしていいものだ。五稜郭に着いてすぐ見学、五稜郭タワーにも上がりパノラマ風景を見る。何とか営業時間に間に合ってよかった。この城は幕末に外国の影響を受けて作られており、天守閣らしき物が無い。見学をしてから一旦ホテルへ。大きいカバンを置いて再び街へ出かけた。函館山に行く前に洋食屋で腹ごしらえだ。この街には洋食が似合う雰囲気がある。それから山へ向かった。シーズンのせいか客は多い。ロープウェイに乗り頂上へ登り、夜景を見る。さすが評判通りのいい眺めだった。来て良かったと思った。ロープウェイで下山、ここは途中に支柱が無いのが特徴とか。駅のそばに在る喫茶店でデザートを味わいながら紅茶を飲み、一息つく。早朝に上野を出てからここ迄、フル稼動である。ホテルに戻り早々に就寝。

8月12日、早めに起きて朝食は朝市でと決めていたので、身支度を済ませホテルを後にする。少し見回って丼物を頼み、腹ごしらえそんなに安くは無かったがボリュームはあった。そして土産物を買い、8時前の快速海峡に乗り、帰路に着く。束の間の函館滞在だったが自分なりに楽しめたと思う。2時間半程で青森に着いた。連絡船の時と違って名残を惜しむ風情が無いのは物足りない気もするが、随分北海道との距離感が縮まったような気がする。

青森を10時半に出発した特急はつかりは1時前に盛岡へ。30分の待ち時間で東北新幹線やまびこが発車、夕方5時前に上野で乗り換え東京駅に移動。5時40分発のひかりで新神戸に着いたら9時を廻っていた。それにしても1日あれば列車の乗り継ぎで、神戸から函館まで行けるのである。これも新幹線と青函トンネルのお陰である。さて次に北海道へ行けるのはいつになるか、と考えつつ家路についた。


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